なぜ虎毛から赤毛へ脱却を図るのか?
最近特に中国で秋田犬ブームが急騰し、私のうちにも1週間に1人は必ず外国人の方から片言の日本語で電話がかかってきます。
ペットとして、或いはドッグショー用の秋田犬を求め、注文が殺到しております。その犬の毛色は赤毛が 100%といっても良いような状態で、赤毛を中心の注文です。
この春東京展をはじめ埼玉展と出展し、観戦してきましたが、関東圏には赤毛が激減し、虎毛が 60%近くを占めているようなありさまで、一種の危惧を感じます。従来は展覧会といえば、7~8割が赤毛で、残りが虎毛、そして白毛が数頭というのが従来の展覧会でしたけれども、おそらく中国からの注文が国内に殺到し、関東圏の中・上級クラスの赤毛が相当数中国に渡っているように思えます。

また、ヨーロッパ特にイタリア、スペイン、ドイツ、フランスといった順に多くのヨー ロッパの秋田犬ファンがおりますが、やはりどちらかというと赤毛が70~80%の需要で残りの20~30%が虎毛といった感じに見ております。
ですから、お金は非常に大切ではありますが、かといって本家本元の日本国内で赤毛の胎牝が数多く中国にわたっている事実を考えますと、 秋田犬の将来はどうなるものなのかと心配と不安が募ります。
私はどちらかというと、「トラの小崎」で通ってきておりますが、これからは赤毛の小崎といわれるように赤毛を中心に作出していきたいと思っております。
しかし、作出はどちらからというと赤毛よりも虎毛の方が難しいと思っております。難しいから余計に今まではトラにこだわってきたのかと思います。
しかし、秋田犬は渋谷のハチ公ではありませんが、ホホ白赤毛の牡犬です。

そして、海外映画のハチ公物語で特に飼い主に従順で忠誠を尽くし、全うしたハチ公の映像が全世界に流れ、感動と感銘を広く海外の人に伝える結果となり、それが現在の世界的な秋田犬ブームにつながっていると思考されます。
私はそういったことを踏まえて、これからは赤毛に力を入れ、上質の秋田犬の作出に息子と二人、英知を絞り、経験を生かし、毛の秋田犬の 繁殖に取り組んでいくつもりでおります。
私のところには今、国内を代表する赤毛の種牡「谷風号」と「好輝号」などがおり、そこそこ評価のできる仔犬が出産しておりますので、それらの血を良く生かして、いい赤毛の仔犬を目一杯繁殖していきたいと思います。
